祈り高らか震災鎮魂歌 佐渡裕さん指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団(産経新聞)

 ■「あの時」5時46分から12時間後に開演 

 阪神大震災から15年となる17日に、指揮者の佐渡裕(ゆたか)さん率いる兵庫芸術文化センター管弦楽団がヴェルディの大曲「レクイエム」を演奏する。コンサートは地震発生時刻からちょうど12時間後、午後5時46分に開演。レクイエムは死者の安息を祈る曲で、佐渡さんは「亡くなった方たちへの鎮魂の気持ちと、残された私たちの未来への決意を高らかに歌いたい」と話している。

 平成14年、「震災復興のシンボルにしたい」と設立が決まった兵庫県立芸術文化センターの芸術監督に就任要請された佐渡さん。「街や人々の間にまだ深い傷が残る中で、多額の予算をかけて豪華なホールを建て、贅沢(ぜいたく)な舞台をすることに専念できるのか、正直、抵抗とプレッシャーがありました」と振り返る。

 しかし、震災直後から一杯のコーヒーが人々の間で喜ばれ、路上の歌で癒やされる人がいたと聞き、「音楽が震災後の街にできること」を考えた。

 「私たちの命には限りがある。その中で必ず次の世代に何かを届けなければならない。震災を知っているこの街が、亡くなった人たちに対してそのことを誓えるよう、音楽で訴えたい」

 15年前の震災発生の日、佐渡さんは京都大学交響楽団でマーラー「交響曲第9番」を指揮するために京都にいた。被災して午後から始まったリハーサルに駆けつけられない学生もいた。演奏会場ではさっそく募金を始めたが、「当時はまだ指揮者としても中途半端で、近くにいながら、あまり大きなことができなかった」といい、悔いが残った。

 そんな思いを抱えたまま、17年に芸術文化センターがオープンして、芸術監督として管弦楽団を率いることに。震災15年の節目となる今回の1月定期演奏会は、通常の開演時間を約3時間遅らせて、地震発生時刻から12時間後の午後5時46分にタクトを振り下ろす。

 「今、オーケストラには世界12カ国から集まったメンバーが在籍しています。レクイエムでは150人近い合唱団も集まる。舞台の大編成が多くの聴衆と一緒になって、亡くなった人たちと向き合い、そして未来に向かうことを決意する場所にしたい」と佐渡さんは話している。

 15日から始まる定期演奏会のチケットは完売したが、初日の演奏を録画して、17日、兵庫県内各地で開かれる追悼の催しや記帳場でそのもようを放映する予定。

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